家族葬登場の背景と増えている理由

家族葬登場の背景と増えている理由 家族葬とは故人や遺族の意志により参列者を限定して行う葬儀のことで、それ以外に明確な定義があるわけではありません。故人の配偶者や子供、孫はもちろん、兄弟姉妹や親族、時には故人と特に親しかった友人を呼ぶこともありますが、一般的には家族を中心とした30名以内の小規模な葬儀を指すことが多いです。

葬儀は参列者や執り行う内容によって、いくつかの種類にわけることができます。最も多いのが、親族を始め故人の知人や友人、ご近所、会社関係など幅広い方に来ていただいて、二日間にわたり通夜、告別式、火葬を行う伝統的なスタイルで一般葬と呼ばれます。公正取引委員会で行われた調査では、参列者50人未満の葬儀を家族葬、50人以上の場合を一般葬と定義しています。家族葬と一般葬の違いは主に規模であることがわかります。実際に家族葬でも通夜、告別式が行われることが多く、プログラムの内容も一般葬と大きく違わないことがほとんどです。最近では、通夜をせず告別式と火葬のみ行う一日葬、通夜と告別式をせず火葬のみ行う直葬というスタイルも登場しています。いずれも近親者のみで行うことが多いため、小規模であるのが特徴です。比較的大規模な葬儀としては、故人が企業の創業者や経営者だった場合に会社主体で行われる社葬や、遺族と合同で行われる合同葬があります。社葬の場合には遺族だけで密葬が行われ、後日、本葬として社葬が行われるのが一般的です。著名人や芸能人が亡くなったときに催されるお別れ会も、密葬の後に行われる本葬のひとつの例だと言ってよいでしょう。

家族葬が登場した背景には、高齢化の進展による小規模葬の増加があります。高齢で亡くなる方が増えると、職場を離れてからの期間が長いことから会社関係の参列者が減るのはもちろん、友人や知人も少なくなっているため一般の参列者は減る傾向にあります。見送る家族が退職しているケースも多く、義理で参列する人が減ることも小規模葬が増えている一因です。

実は、家族葬とは小規模葬が増える中で、葬儀業界が密葬にかわる言葉として作り出した言葉だと言われています。密葬とは訃報を知らせず近親者のみで行う葬儀のことで、密葬を終えた後、一般の方をお呼びして本葬を行うのが本来の形です。しかし、一般の参列者がほとんどなく近親者のみで行う葬儀が増えたことから、本葬を行わない密葬を指すものとして家族葬という言葉が作られたというわけです。家族葬という言葉は、身内だけで故人を静かに見送りたいという遺族の気持ちに合致したことから広く受け入れられるようになり、今も増え続けています。近年では葬儀の約半数が家族葬だとも言われ、その傾向は地方より都市部で顕著です。葬儀に関する意識の変化も手伝って、家族葬や直葬などの新しい形の葬儀は今後も増えると予想されています。

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